弔電の文章作成の際に気をつけないといけない一つに「忌み言葉」と呼ばれるものがあります。
忌み言葉を避けることは、最低限のマナーと言えます。
この記事では弔電の手配時に避けるべき忌み言葉の解説をします。
最低限のマナーのため弔電の中に使われていないか必ずチェックしましょう。
普段なにげなく使っている話しことばが弔電では忌み言葉になる場合も多いから気をつけよう
Contents
忌み言葉を避ける理由とは
日本では言葉には言霊が宿り、口に出すとその言葉が本当のことになると考える「言霊信仰」という風習が根付いています。
そのため、現在でも忌み言葉を避けるというマナーがあるのです。
【弔電】避けるべき忌み言葉一覧
ここからは代表的な忌み言葉を見ていきます。
これらはほんの一例ですが、よく間違って使われる言葉なので注意しましょう。
電報各社の例文集を使って弔電を手配する場合は、使われていないので安心ですがマナーとしてぜひ知っておきましょう。
不幸を連想させる言葉
- おしまい
- 終わる
- 別れる
- 苦しむ
- 4(死)
- 9(苦)
- 浮かばれない
故人との別れを惜しむための葬儀で不幸な言葉が登場してはいけません。
不幸をくり返す「重ね言葉」
- かさねがさね
- 加えて
- 改めて
- 何度も
- しばしば
- たびたび
- つぎつぎに
- くれぐれも
- たくさん
- いろいろ
重ね言葉はその言葉の通り、くり返すという意味になり、弔電での使用は不適切です。
不幸がつづくような言葉
- 深く
- また
- ふたたび
- 引き続き
- もっと
- 次々に
- さらに
継続するイメージが湧く言葉もよくありません。
使用していないかしっかり確認しましょう。
夫婦の離別を感じる言葉
- 捨てる
- 去る
- 別れる
- 冷める
- 離れる
- 離婚
これはよく使われる一例を挙げましたが、忌み言葉はまだまだたくさん存在しています。
もっと詳しく知りたい場合は、このサイトからアイウエオ順で調べられるよ
宗教によって気をつけるべき忌み言葉
仏教やキリスト教など宗教によって避けるべき言葉もあります。
仏教
- 浮かばれぬ
- 迷う
- 浮かばれない
仏教は故人が極楽浄土へ成仏することを願い供養するため、成仏ができないことを連想させる言葉はタブーです。
神道・キリスト教
- 冥福を祈る
- ご愁傷様
- 供養
- 成仏してください
- 往生
- 冥途
神道・キリスト教では仏教用語を使うことはマナー違反になります。
また仏教で使う「お悔やみのことば」も使いません。
キリスト教では「死=神の元に召される」という概念で死は悲しいこととされていないからです。
句読点の使用も避けよう
文章を読みやすくするために「。」や「、」を通常はつけるものですが関係が切れるイメージができてしまうため、避けることがベターです。
句読点を打ちたい場所は「 」スペースを使用しましょう。
【悪い例】 本日は、ご参列いただき….
【いい例】 本日は ご参列いただき….
句読点まで考えないといけないなんて、言葉のマナーは深いよね
忌み言葉置き換え例 3選
ここからはよく使われる忌み言葉と置き換え方をご紹介します。
不幸を連想させる言葉
忌み言葉 | 置き換え |
生きる、生存 | ご生前、お元気でいらした |
死去、死亡 | ご逝去(ごせいきょ)、他界 |
終わる | お開きにする |
帰る | 中座 |
4(し) | (よ)と読む |
9(く) | (ここのつ)と読む |
不幸をくり返すかさね言葉
忌み言葉 | 置き換え |
重ねて、かさねがさね | 加えて |
重々、くれぐれ | 十分に、よく |
次々 | たくさん |
たびたび | よく |
益々、いよいよ | さらに |
色々 | 多くの、多彩な |
くり返す | 振り返り |
追って、続いて | 後ほど、同様に |
不幸が続くような言葉
忌み言葉 | 言い換え |
また | さらに、改めて |
ふたたび | いま一度 |
引き続き | これからも |
次々に | その後、新たに、別の機会に |
【忌み言葉の言い換え】まとめ
ここまでは忌み言葉と忌み言葉の置き換え例を見てきました。
忌み言葉は多すぎて、気をつけていてもすべてを把握するのは難しいと言えます。
まずは「不幸」「重ねる、続く」ようなイメージがある言葉を使用しないことを覚えておきましょう。
弔電は定型文も多くスピーチと異なり再確認できるため、忌み言葉をうっかり使うことは少ないですが、もし使用してしまった場合はすぐに謝罪を入れ相手を気遣う気持ちを表すようにしましょう。
故人に伝えたい、偲びたいと思って弔電を出すものだから、誤解を招かないよう注意したいね